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スーファミ後期的な王道RPG「創世のエル~英雄の夢の終わりに~」の感想・レビュー

正にスーファミ後期の発売された名作RPGをプレイしている雰囲気を持つ王道RPG「創世のエル~英雄の夢の終わりに~」のプレイ雑感レビューです。面白いスマホゲームを探している場合の参考にしてください。

創世のエル~英雄の夢の終わりに~とは

創世のエル~英雄の夢の終わりに~は、スーパーファミコン時代を模した2Dグラフィック、ダンジョン探索、町での人々との会話、フィールドを自在に歩くなどを楽しめる本格的な王道RPGです。製作スタッフにも気合が入っており女神転生外伝や新約ラストバイブル1・2などのシナリオを担当した市川雅也氏がシナリオを担当、聖剣伝説2,3の音楽を担当した菊田祐樹氏がサウンド全般を担当しています。

また、キャラクターデザインははーとふる彼氏で有名な玻都もあ氏です。特にシナリオ・音楽はスーファミ時代に活躍し当時の雰囲気を知り尽くしている方達である事は重要です。

ゲームは初回配信分の序章に該当する部分と有料でアップデートできる完結編にわかれています。まだ完結編は配信おらず価格も不明です。無料部分だけで10時間は遊べるゲームになっています。無料部分は大きく4つある国のうち、2つの国のイベントを終了します。後述するカード番号からの推測ですが、製品版は無料でプレイできる部分の2.5倍以上はありそうです。iOS専用のタイトルです。

創世のエル~英雄の夢の終わりに~のレビュー

製作時間をかけて作られたタイトル

創世のエルの公式サイトができたのは2013年2月、実際に配信開始したのは2015年2月です。つまり製作期間が2年を超えているビッグタイトルである事です。

スマホのスーファミ風RPGだとケムコ製RPGが思い浮かびます。しかし、ケムコは4つの会社で開発したゲームを月1度配信する超短期スパンで開発しており、ゲームも短期で開発した事がわかる雑さがあります。ただし、ノウハウはあるので体裁さは整っています。ケムコ製は好きな人はハマるけど雑さ加減で見限った人も数多くいます。

創世のエルはケムコ製とは完全に異なりシナリオ・音楽・システム全ての完成度が非常に高いです。派手なエフェクトも無ければ、最新技術を駆使した音楽もありません。昔ながらのゲームです。しかし、それでも丁寧に作られており先が気になる良質のRPGです。

古い世代をアピールした作品ですが、見た目に捕らわれず、若い世代にもプレイして欲しいゲームですね。なお、趣旨から外れるので当ページでは詳しく書きませんが、雑さがあってもケムコ製ゲーム、嫌いではありません。

▲フィールドなどはもろにスーファミ後期ですね。

菊田祐樹氏作曲のスーファミ後期に作曲したとしか思えないゲーム音楽

現在、RPGツクールを中心にレトロ回帰するゲームは数多く公開しています。グラフィック関連で考えると再現度が高いゲームはよく見かけます。しかし音楽はファミコン時代のピコピコ音かスーファミ時代を模しているけど何か違う劣化音楽、DTMを駆使した最新の音楽ばかりでこれこそスーファミだ!と思う要素を感じるゲームはあまりありません。

創世のエルのメインコンポーザーの菊田祐樹氏は聖剣伝説3などスーファミ後期の作品もいくつか手がけています。そして、その頃の印象を創世のエルはそのまま引き継いでいます。なるべく忠実にスーファミ音源を再現していますね。再現だけでなく単純に良い音楽を作るアーティストなので曲のレベルも高いです。

▲物語は絵本の予言と言う形で序盤から大枠道筋のネタバレはあります。ただ、ネタバレと言うより謎が高まる感覚が強いですね。

RPGの不満を和らげる快適なシステム

実際のレトロRPGを遊ぶと出現確率の高いランダムエンカウント、ダッシュ機能なしなどシステム的な不具合が目立ちます。想い出補正で面白かったところで実際にプレイすると何か違うと感じるゲームは多々あります。創世のエルは、この点は原点回帰せずに工夫を凝らしています。次項から説明していきます。

▲ボス戦前は必ずHP、MPを全回復してくれます。地味に有難い。そしてダンジョン脱出アイテムもその時点でほとんどの人が所持できる配慮もしてくれるのでボス戦後の戻りもストレスがありません。

エンカウントキャンセル

まずランダムエンカウントです。決して敵の出現確率が低いとは言えませんが、戦闘画面に入る前に「戦う」か「逃げる」を選択できます。ここで逃げると戦闘画面に移行せずフィールド探索に専念できます。ワイルドアームズのエンカウントキャンセルに近い機能ですね。ただ、メインの探索となる敵と味方が同レベルに近い状態の場合、逃走に失敗しやすいのが欠点です。

いつでも止めれる事を意識したゲームデザイン

長いイベント前には必ず注意書きがあるのもポイントです。本当にくどい程、「長い会議になりますが大丈夫ですか?」と聞かれたり、会議中に「そろそろ休憩にしないか?」と聞かれます。セーブはフィールド、街、ダンジョンのどこでもできる形式です。強制イベントでダンジョンから脱出できない場合も武器・防具・道具屋などがあるためセーぶしても詰まる事はありません。

▲世界地図は詳細も掲載しているのでこれも便利な機能です。ところでこの地図の3大陸、見覚えありまくりなのですが!!!!

街の人との会話が楽しい

JRPGを分かっている開発者がRPGを作ると街の住人との会話がとても楽しくなります。スーファミやPS時代だとマザーやルナ、ドラクエが典型的でしょうか。会話量は多くないのですが、ゲーム内の世界観・歴史を丁寧に説明し、その国の風土にあった性格構成になっています。「ここは~の村だ」的な面白みのないナビゲーションだけの住人はほとんどいません。

▲ドラクエ型で主人公が話さないため一方的な会話ですが、NPCそれぞれが個性を持っているため会話が楽しいのです。新たな街に着いたらイベント前にまず「会話」ですね。

社会風刺の効いたストーリー

ここまでべた褒めしましたが、ストーリー部分に関しては賛否両論になると思います。シナリオの見せ方も謎や複線を散りばめ、要所要所で盛り上がり。物語に没入できるように工夫しています。構成が上手でとても面白いのです。さすが市川雅也氏と言ったところです。しかし実際のシナリオはかなり人を選びます。

創世のエルは幻魔が人類を苦しめる剣と魔法のファンタジー世界が舞台となっています。しかし、銃技術や、電波発信技術など文明は近代に近いほど発達しています。これは漂着物と呼ばれる異世界から漂流した数々の品やオブジェが原因です。オブジェの内容は文献や銃、放送技術、写真などで異世界は「現代の地球」です。私達の生活に関わるものが密接に関わっています。

当面の目的は人間を苦しめている幻魔王「ドラモス」を倒す事です。又、主人公メンバー以外に勇者パーティも存在し、物語は各地の問題を解決しながら幻魔城への道を探す事です。なお、現在は幻魔王を倒すために人類が一致団結しているフシがあります。各国間で差別や対立、食料問題などがあり、幻魔王を倒した後は戦争に向かいそうな気配があります。(まだクリアしていないので分からないのですが、ドラモスを倒すまでが序章ではないかと想像しています。)

地球から流れる漂着物には写真も存在し、その中に「放射能が漏れ、侵入禁止エリアになった福島原発の周辺」「原爆が爆発した光景」がありゲーム内でそのまま表示するイベントがあります。また、原爆に関する技術知識も漂着しており、各国が原発製造に乗り出しています。また、あくまでファンタジー世界ですが、民主政治の是非、原発で焼け野原になった街の文明発達、戦勝国のいいなりになる国、貧富の差が激しい国などあります。過去にホロコーストが行われた形跡もあり、情報合戦も行われています。これ、うつ病を参考にしたのでは?と感じる自殺病も存在します。全ての国が、だいたい現実2,3ヶ国の思想、政治体制、過去の悪行などの要素を合体したような国になっています。

あくまで剣と魔法のファンタジー世界ですが、政治関連に関してかなり現実世界とリンクしています。そしてゲーム内で為政者に語らせる事で一つの方向性も持っています。

▲このように現実の写真を漂着物として物語に出現させています。

その一方で評価する点はコテコテのよく見かけるファンタジーではない事です。上記のように現実の地球からモノが送られてくる設定があるため、世界観が独特なのは見てわかると思います。古今、似たような世界観のファンタジーゲーム・アニメが多い中、新鮮な気持ちでプレイできます。

戦闘とカード集め

戦闘はドラクエ形式のオーソドックスなスタイルです。味方パーティーは主人公と2人の異世界人の3人パーティーになります。なお、異世界は上記で述べた「現実の地球」ではなく真っ当なファンタジーです。フィールドで戦闘か逃走を選択し、戦闘画面に入ると逃げる事はできません。又、ポーションなどのアイテムは戦闘中に使えずフィールドのみの使用になります。コマンドは通常攻撃か魔法(技)のみです。なお、防御に相当するコマンドは魔法の中に入っています。この点はスマホの操作性を意識したのかな。面白い制度として「クリティカル予告」があり、コマンド選択時に、このターンでクリティカルが高い確率で発生するかどうかが分かります。

▲戦闘はオーソドックスなターン制です。

装備できる武器・防具はオーソドックスに店で購入か宝箱から入手します。主人公達はレベルが上がると一定値の能力が上がったうえでプレイヤーが特定の能力を伸ばせます。能力の中で魔力を増やすとMPが上がりますが、MP上限で新たな技・魔法を使用できるようになる事が創世のエルの成長システムで大きな特徴です。

▲基礎能力が上がった上で特定の能力を伸ばします。

▲メニュー画面。スマホに最適化しており操作感は悪くありません。

物語の途中から「カード」を集められるようになります。敵に対して「カード化」を行うと確率で「カード」を入手します。カード化を指定した時の敵HP残量で入手確率が変化するようです。カードは1人3つ装備できて、モンスターによって、力+5のような能力アップやキュアに該当するなアビリティ、状態耐性やグループ攻撃など多岐に渡ります。カードの装備方法によって能力がガラリと変化するのでボス戦などは工夫して戦う必要があります。カードは敵のHPが半分を切っていれば容易に取得できるのでカード集めにストレスはあまりかかりません。

▲カードは各キャラ3装備できます。使いたいカードがあり過ぎて悩んでしまいます。

つぶやかないと見れないヘルプ

ゲームはTwitterにつぶやく機能があります。つぶやきは物語と密接に関わっており、物語に登場する端末機能の一部としてつぶやきがあります。物語のある重要人物の願いを叶えるために必要だとか。まだ明かされていませんが、ARG(代替現実ゲーム)的な要素を感じますね。問題はつぶやかないと虎の巻きと呼ばれるヘルプ機能が全て見れない事。ヘルプはゲームユーザー全員が見なければいけない補助的な役割があるので、このような見せ方は少し「う~ん」となってしまいます。

▲つぶやき機能が世界観に組み込んであるRPGを見たのは初めてです。メタ発言でないのにつぶやきを詳しく説明しているのは流石です。

まとめ

創世のエルは面白いスーファミ風RPGを作ろうとするメーカ-の本気度を感じるゲームです。システム的な完成度が高く、無料部分でかなり壮大な物語が楽しめるのでシナリオの社会風刺が気にならなければ遊ぶ価値があります。

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