攻略記事

アール・タイプ(アーケード)

思い出

 日本中のシューティングファンを魅了したシューティングタイトルは?
 …まあ、時代やメーカーやソフトの数、そしてユーザーの好みにもよってそれなりの数になるのでしょうが、この『アールタイプ(R・TYPE)』もその列に当たり前の存在として加わる事でしょう。
 シンプルにして判り易く、見た目に反したハードさが魅力的な作品であり、グラフィックの細かさとBGMの良さ、褒める所を挙げればキリがない作品だと思います。
 個人的にはこのタイトルのプレイ回数は数知れずでして、…とは言っても近所の駄菓子屋に導入されたわけですから見知ったのも相当に遅れた筈ですが、デモ画面に魅入った次の瞬間には50円玉を迷わず入れてましたね。

 ゲームが始まると…、何でしょうかね、あの登場のしかたと大袈裟すぎるBGM…。でも、ぜんぜん大袈裟に感じなくて、むしろそれが当たり前みたいな雰囲気を漂わせてるんです。見事なマッチングですね。しかも、やたら拘りがありどこもかしこも独特な敵機も全て背景にマッチしており、その割にはゲーム好きでも何ら内容を追求しない私はその世界のストーリーを知りませんし知る気もないのですが、『それでも助けに来たっ!』って感じでしたね(何を助けに来たのかは皆目見当不能ですが)。
 さて、ゲームが始まりました。攻撃こそ浅い『スタート直後』ですが、それにしてはうじゃうじゃうじゃうじゃとロボットみたいな敵機が迫ってきます。ただし、シューティングのお約束か、ザコ=一撃撃破の鉄則は存在しており、きちんと画面から消えてくれます…が、連射が間に合わない(波動砲の存在に気付かず)!
 だが、その直後に感動に似たワンシーンを発見!

『この敵、障害物に引っ掛かってる…!』

 ビックリしました。こちらがやり過ごした敵が追いかけて来るのですが、自機と追って来る敵機の間に存在した障害物の壁に阻まれあえなくスクロールアウト…。壁を無視する敵や壁に当たって消滅する敵はこれまで何度も見ましたが、『引っ掛かる』というタイプは当時のシューティングではレアな存在でしたね…! 背景に馴染んでしまうため気にも留めない現象ですが、私個人としては歴史的瞬間でした。思わず自分が当たっても平気なのかな? と考えてしまい、迷わず壁にGO! ずどーん。…知ってましたョ。
 少し進んでデモ画面で見た1面のボス…と思い込んでいた、単なる通過地点にも感動。中ボスですらないその存在を凝った演出で作り上げたアイレムの拘りを見せつけられましたね。


 こちら、ボス…若しくはボス手前の障害と思い込んでいた円形の砲台。通過する際に嫌でも包囲される。


 こちら、実際の1面ボス。少し前の自分の記憶を封印したかったです。

 話変わって、アーケードゲームと言えばスタートから3…、少なくとも2ステージはプレイヤーをのめり込ませる目的で比較的簡単な難度で迎え、ある境界線から劇的に難しくなってきますが、こちらはイキナリ殺しに掛かってくる仕様でしたね。グラフィックに見とれていると、何もしないと思った敵が突如攻撃…!? なんていうのは当たり前で、ステージ1はともかく、ステージ2からは背景や敵の姿もさることながら、とにかく難度が飛び上がっていましたね。もう連射じゃどうにもならないって話ですよ。
 …で、それでも連射に頼ってステージ4に進めるようになった頃、そこで初めて画面下のゲージが連射する度にビヨビヨと伸びている事を知り、(これなんだろう?)ぐらいの気持ちで射撃ボタン押しっぱなしに…。ゲージが伸び切っても特に何も起こらず、『…?』という感じの時に第一の敵出現。いつもの連射をしようとボタンを離した瞬間、ドゴンッ! …と、そこで初の波動砲!
 一緒に居た友人に言われました。『珍しいね、波動砲使うなんて』と。いや、知らなかったのです。

 教訓:
 ゲームは楽しめれば世界観や想像上の知識など個人的に問題無い。でも、次の事は前向きに行おう。
・最低限の操作法くらい知る努力をしよう。
・デモがあるなら、そのデモくらいしみじみ見よう。

 以上!

はなうたBGM

 登場シーンからの切り替わりが非常に優秀な事からステージ1を気に入るプレーヤーがほとんどみたいですが、私個人としてはステージ6が最ものお気に入りBGMです。
 まあ、『バイド』の存在を知ればステージ6ほどミスマッチなBGMは無いと言われてしまうかも知れませんが、爽快なノリの曲調はどこぞのアミューズメントチックなイメージがあり、迷路のような構成のステージにちょうど良かったかと。
 今でも時折流れてくる脳内BGMですが、やはり気分の良い時に聞こえてきますね。…何故かステージ3(巨大戦艦ステージ)の音楽と共に…。不安です…。

コンティニュー使用の目印はいつ頃から表記されてたの?

 格闘ゲームが世界中で流行り、『スコアを競う』というゲーム本来の概念がだいぶ薄れた今現在ですが、当時はゲームと言えばスコアが存在し、全ての敵はもちろん、タイトルによっては自キャラのアクション一つ一つがスコアの対象になるものも存在しました。
 とりわけシューティングのスコアは撃墜する敵機にのみ固定のスコアが存在し、アクションゲームによく見る定期的に出現するボーナスキャラ(フルーツやメーカーロゴなど)というものは少なく、純粋に『撃墜数=スコア』というのが普通でした。
 ただ、スコアアタックの概念を大きな存在に見立てるためか、ほとんどのタイトルのスコア最小値は10ポイント換算、若しくは100ポイント換算が当たり前で、その桁が大きくなっても一桁目には『0(ゼロ)』が採用されていました。そのため、最小スコアが50だろうと70000だろうとスコアの一桁目は当然ながら『0』と表記されていたのですが、アールタイプの場合、コンティニュー1回につき1ポイントが加算される仕組みになっていましたね。
 つまり、仮にスコアが10000ポイントでゲームオーバーとなり、追加投入でコンティニューした場合、再スタート時のスコアは10001ポイントとなっているわけです。
 いつ頃からそんなシステムが採用されたのかはわかりませんが、別のタイトルで言えば『ファイナルファイト』も同じ仕様だったので、もしかすると私が気付かなかっただけでもっと前から使われていたのかもしれませんね。

 私のアールタイプ最高記録はスコアというよりも進めた場所までなのですが、それはステージ6のボス(ボスいないけど…)まででした。ゲームオーバーまでにステージ6に進むというよりも初めの1機でそこまで進むと言った方が正しいですね。何せミスした後は問答無用の装備無しによる再スタートですので、場面によっては敵襲の攻撃を掻い潜る事に無理があるのです。…まあ、私の腕の問題でしょうがね。

 …で、とある日。
 地元でいつも通りいつもお店でこのゲームをプレイすればいいものを、何故かわざわざ遠い百貨店まで足を運び、そこにあるゲームセンターでプレイした日がありました。
 出だし順調でそれがどこまでも続く。危うい場面に遭遇する事もなく自分にとっての最大の壁のステージ6に突入しました。…そこで悪夢登場…。

『あ、この人すごい! ここどこ?』

 突如背後で聞こえた男の子の声は、確実に私に向けられていました。

『6面だよ。すごく難しいんだぜ!』

 連れの友人なのか兄弟なのか、もう一人の男の子が答えます。

『すげー! 6面!? 俺、3面もクリア出来ないのに…』


 直接ステージ6を目にしたのが初めてなのか、初めに声を上げた方の子は興奮した様子を隠す事もなく背後から画面を覗いているのが私に伝わってきました。ここで私が奮闘すれば、彼にとっても私にとっても初のステージ7に突入出来るかも…! 操作する手に力が入りそうなのを意識的に緩め、極力柔軟な操作に切り替えます。緊張なんかに私のR-9は負けるわけにいかないのです。そう、自分自身というよりも、むしろ目を輝かせて覗いているであろう彼の為に…!

『…どうせコンティニューだよ。普通来れねーモン、こんなトコ』

(な…っ!? き…キミ、スコア見てから言いなさいっ! 一桁目が『0』になって…)

 どぉーんっ!

(あっ…!?)

 自分でビックリする凡ミスによってゲームセット…。当時も今も、私は2機目からの態勢立て直しに絶望感を満たしているため、当然ながら諦めモード…、問題個所をノーマル状態で突破できるわけがないのです。そして…、
 どぉーんっ! どぉーんっ! の二連発であえなくゲームオーバー…。
 内心で2人目の子に反論した結果に後悔しつつ、席を立ち上がる頃には向こうの2人も背を向けていました。
 で、その去り際というか去りながらというか、2人の会話が聞こえてきたんです。

『な? ああやって何回も何回もやられてあそこまで行ったんだよ、あの人。…お金の無駄』
『なんだぁ。変だと思った』

 多分、ゲームよりも、BGMよりも、アールタイプに関しての強烈な思い出になっているかも知れません。

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