攻略記事

パルテナの鏡(FCディスクシステム)

思い出

 オープニングの音楽とは裏腹に、夢いっぱいっぽい音楽とは裏腹に、あまりにも難易度が高過ぎる設定の『パルテナの鏡』。
 ライフゲージの少ないスタート時は『当たれば瀕死』『矢を外せば返り討ち』『それ以前に矢が届かない』と、プレイヤーにとっての不都合がけっこう山積みの状態でスタート。しかも、画面上にスクロールするわりに下へのスクロールは一切無く、例えば1ドット下の、どんなにすぐそこに床があろうとも、画面下へと消えた空間に足を滑らせようものなら即死となる非情設定。体力の少ない内は常にHP1くらいの覚悟で挑むしかないんですよね。
 ゲーム中にはお店らしき部屋があり、お金に代わる対価としてハートで買い物をする事が出来るのですが、これが安いようで実は高い。やればわかる…そうとしか言えないのが悔やまれますね。

 仮にワールド分けした構成としては、単純に
 ワールド1:縦スクロール
 ワールド2:横スクロール
 ワールド3:縦スクロール
 となり、各ワールド後半では城というか、迷宮というか、そんなたくさんの部屋を行ったり来たりしつつ、必要なアイテムを揃えてワールドボスを倒す事でクリアですね。クリアの度に三種の神器を入手し、最終面に待つ対メデューサ戦に備えるというわけです。

 縦スクロールアクションとなる前半部分では主人公…『ピット』…だっけ? よく覚えていないので『ピット(仮)』としますが(調べろ!)、そんなピット(仮)は単身で幾多の敵を倒し、そして逃げ回る事でチェックポイントまで進みます。
 迷宮内部では過去にやっつけられた味方天使(?)を…何故か斧で助ける事により、ボス戦で加勢してくれるという、当時としては胸アツの演出も。まあ、お約束というか、どんな攻撃が当たっても一撃で沈むのですが…。でも嬉しい。
 そういえば迷宮にはナスビの神様みたいなキャラが居て、コイツが厄介でしたね。直接的なダメージは無かった気がしますが、投げてくるナスに当たるとピット(仮)の上半身がナスになってしまい、一切の攻撃が出来なくなるのです。
 ナスからの回復には専用の泉に入る必要があり、そのための迂回が強要されます。そして迂回する内に別の敵やトラップに引っ掛かりゲームオーバー…という流れが形成されます。どうにかこうにか回復して、再びナスにされた時の絶望感は…ねぇ?

 ↑問題のナス状態。落ちているのではなく、ピット(仮)が意識的にしゃがんでいる図です。ナスビの神様みたいなキャラを見付ける事が出来ず、紹介出来ないのが心残りですね。…あ、横スクロールの様子も見せたかったなぁ。…あ、ゲームオーバーの……………私のゲーム紹介、伝わっていますか??

はなうたBGM

『パルテナの鏡』というタイトルやゲーム内容を知らなくとも、そのBGMを耳にした事があるという方は多いのでは? そんなタイトルの一つです。
 特にこのようなサイトに時間を割いて下さる方であれば、少なくともゲームが好きな筈でしょうから、ニコニコ動画などで検索して頂ければ何らかの記憶に引っ掛かる可能性大ですね。『ああ、あの番組のってこれなんだ』…みたいな。

このゲームの思い出BGMといえば、やはりオープニング曲であり、まさにこれです。特徴ある音色がゲーム背景やキャラクタとマッチしており、これぞゲームの見出し『タイトル画面!!』ってな感じですね。ゲームが現在のように進化し切れていなかったからこそ、余計に浮き彫りになったのかも知れません。いずれにせよ名曲と呼べるものですね。
 他に有名な曲と言えば、…曲というほど長くも無いのですが、ゲームオーバーがそれでしょう。カタカナで表記される『ヤラレチャッタ』というセリフに合わせたような音色が負けた時のイライラと交わって、なんとも複雑な気持ちにさせられる一曲です。こちらもある意味有名ですので、探せばそんなに苦労する事無く見付けられるでしょう。一度、御試聴あれ。

あまりにも衝撃的なエンディング…

 私にとって『パルテナの鏡』とは、とても難しく、一見、クリア不可能のような構成でもどうにかクリアできる…そんな内容のゲームでした。
 なんと表現すれば良いのでしょか、異常なまでに理不尽な難しさを味わいながら、当然悔しいのですが、それでも先に進みたい意欲が湧くんですよね。まあ、その意欲の一部はソフトの入手ルートにもあるのですが…。
 実はこのソフト、同級生の子から『難し過ぎるからクリアできない。でも最終面のボスが倒したいの』と伝えられ、とある夏休みに攻略本と共に手渡された物でした。
 何だか知らないけど、しかも仲良しグループの間柄でもない子からの頼まれ事でしたから、相当に見込まれたものだな。…と。
 そして、クリアまでの手助けというよりは、どれほどまでに難しいのかが気になってしまい、それで承諾した次第です。
 …で、夏休み10日分くらいは大後悔。根拠の無い『任せな!』の言葉と共に手渡されたソフトを片手に笑った、過去の自分を蹴り倒してやりたい気持ちさえ湧きあがったものでした。同時に、どうして私をあの子は選んでしまったのかと問い詰めたい気持ちまで湧きあがるという、怒りというかやるせなさというか…、でも、約束してしまったし…。
 昼間はどうしてもよく遊ぶ友人が来るので集中出来ず、夜は夜で親に怒られながらテレビを占領しつつ、攻略を進める日々。
 それでも人間やれば出来るとは言ったもので、どうにかワールド3までクリアするに至りました。
 本来なら最終エリアの最終決戦手前まで進めて内容を知りたいところでしたが、ここまで頑張ったついででしたので、どうせならこのゲームの持ち主の子と一緒に最終エリアを進め、一緒にエンディングを見ようと思ったのです。僅かに見えた最終エリアはシューティングのようで、ジャンル的には私の得意分野です。初見でもどうにかなるだろうと踏んだのです。
 持ち主の子に電話連絡をすると、喜んでOK。実家がケーキ屋という事もあり、何か持ってくると言って喜んでいました。
 しかし、家の用や宿題があるため、来るのは2日後の昼過ぎという話に。いずれにしても、私は自分の使命(?)を全うしていたつもりでしたので、ケーキとかお礼の言葉なんてものはどうでも良かったのです。むしろ面白いゲームだったなぁ、なんて、まだエンディングを迎えてもいないのに、良い意味での妙な満足感がありました。
 そんな、持ち主の子が来る手前の次の日の午前…。
 普段は一緒に遊ばない子が私の家にひょっこり顔を出し、『ヒマだから遊ぼう』と。別段断る理由も無かったので、そのまま自分の部屋に上げたのですが…、超失敗でした。
 この子がゲームをやるのは知っていましたが、どうやらディスクシステムを見るのが初めてらしくて興味深々。興味を持たれた私も悪い気はしなく、ちょっと見せる意味で起動させました。中には『パルテナの鏡』のフロッピーが入っています。
 例の音楽と共に目に入ったオープニング画面に魅了されたその友人は『一回やらせて!』…と。
 私は私で、あれだけ難しいゲームだから、初めてプレイする事になるこの子がクリアできるわけないと察し、快くOKを。まあ、ステージ構成を知る分には丁度良いかな、とも思ったのですが…。
 最終エリアは1面のみのシューティングステージとなっており、強制スクロールの最後にはラスボス・メデューサが待ち構えている、というモノでした。…と、こう説明すれば、大体の展開がおわかりでしょうかね? その子、初見でどうにかやっつけちゃったんです。メデューサを…。
 もう頭真っ白。画面のエンディングは確かに流れていた気がしますが、実際何も覚えていません。それよりも気になったのは、確か、パルテナの鏡は各ワールド、若しくは各ステージクリア毎に自動セーブされたような覚えがあり、それにうろたえた覚えがあります。自動セーブが実行されれば手前の面をやり直す事が不可能となるため、ピット(仮)の強化不足でクリアしそうになった時は迷わずリセットを押しながら攻略していたのです。
 で、結果は…?
 はい、自動セーブでした。クリアしてしまったその子に勘づかれないように、澄ました表情でディスクを再起動させると…?
 う~ん、やり直し♡『ハジメカラ』だかなんだか忘れましたが、ひとまずデータそのものがカラッポ状態という事だけは理解できました。クリアしたその子は『簡単なんだね』と一言。返す言葉は…見付かりませんでしたね。

 遊びに来た子が帰ってから、私は鬼神の如く再び『パルテナの鏡』を再スタートしました。もう面白さとか難しさとか考える暇はありませんでした。クリアできればそれでいいのです。というか、クリアできなければ持ち主に何て言ったら良いのかから想像出来なかったのです。取り敢えず『嘘つき』の称号は確定でしょう。下手するとケーキ欲しさに騙された、なんて話にも発展しかねません(私は今も昔も甘いのは苦手なのんですけどね)。
 とにかくプレイしました。こうなると私がピット(仮)です。この戦いに勝てなければ、明日が無いかもしれないのです。そんな鬼気迫る時間帯でした。

 結果…ですか? 間に合いましたよ。さすがに一度、最終エリアを除いて全面制覇したのが昨日でしたからね。あの緊張感と危機感をもってすれば、案外楽に進めたものですヨ。
 後日、ケーキを持参したその子に実際に最終面を進めてもらい、何度かのゲームオーバーに見舞われながらも無事クリアできました。
 …でもね、全然感動出来なかったんですよ。『あ~、間に合ってよかった…』の一心でね…。なーんも覚えてないんですよ、ホント。


 ↑問題のシーン。ゲーム全般を通して最も熱が上がる場面だが、私の場合は1度目は冷ややかに『負けろ』と願い続け、2度目は放心状態だった…。


 ↑私の中の数少ない『思い出せないエンディング』。2回見ている筈だけど、そもそも右側のお姫様みたいな人もわからないや。…はは。
 ところで、やはりピットという名前だったのですね。この天使(?)は。

おまけ

 
 ゲームボーイアドバンスにて登場した復刻版『パルテナの鏡』。復刻版なので中身には一切手が掛けられておらず、当時の新鮮さをそのまま再現したものですね。ついでに私の脳裏に封印されていたあの出来事も鮮度そのままで蘇りました。脱力しました。
 ………がっ!
 このソフトの発売を知り、私は迷わず購入しました。…いや~、今のゲームがどれだけ優しいかが思い知らされる難易度だったんですね。改めて再認識しましたよ。

長々失礼しました。

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