症状からみた主な副作用
副作用とは
●副作用とは、医薬品を十分注意して適切に使用した場合にも起こる有害な作用のことである。●厚生労働省では、重篤副作用対策事業の一環として「重篤副作用疾患別対応マニュアル」の作成を進めている。
全身に現れる副作用
ショック(アナフィラキシー)
●ショック(アナフィラキシー)は、生体異物に対する遅延型の反応である。●アナフィラキシー様症状は、その原因がアレルギーかはっきりしないときの呼称であり、ショック(アナフィラキシー)と類似の症状が現れ、対応は同様である。
スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS 皮膚粘膜眼症候群)
●皮膚粘膜眼症候群は、最初に報告をした2人の医師の名前にちなんで、スティーブンス・ジョンソン症候群とも呼ばれ、英字3文字でSJSと表される。●スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)は、38℃以上の高熱を伴って発疹、発赤、火傷様の水疱などの症状が、皮膚、口、目の粘膜に現れるため皮膚粘膜眼症候群とも呼ばれている。
ライエル症候群(TEN 中毒性表皮壊死症)
●中毒性表皮壊死症は、最初に報告をした医師の名前にちなんでライエル症候群(TEN)とも呼ばれ、症例の多くがSJSの進展型と見られている。肝機能障害
●肝機能障害の症状としては、倦怠感、黄疸のほか、発熱、発疹、皮膚の掻痒感、吐き気、尿の色が濃くなるなどがある。偽アルドステロン症
●尿量減少、手足の脱力、血圧上昇、筋肉痛、倦怠感、手足のしびれ、頭痛、むくみ、のどの渇き、吐き気などが現れるのは、偽アルドステロン症の症状である。●偽アルドステロン症は、生薬のカンゾウや、カンゾウに含まれるグリチルリチンなどによって起こることがある。
局所に現れる副作用
イレウス様症状
●イレウス様症状では、腸管閉塞を起こしていないが、医薬品の作用によって腸管運動が麻痺した状態である。●イレウス様症状では、激しい腹痛やガス排出の停止、嘔吐、腹部膨満感を伴う著しい便秘などが現れる。
間質性肺炎
●肺胞と毛細血管を取り囲んで支持している組織に起こった炎症を間質性肺炎という。●間質性肺炎では、ガス交換効率が低下して低酸素状態となる。