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ソシャゲの常識を世界観にしたRPG「奴は四天王の中で最も金持ち」の感想・レビュー

ソーシャルゲームの常識ガチャ・フレンド・課金などを世界観に取り入れてシナリオを作ったレトロ風味RPG「奴は四天王の中で最も金持ち」のプレイ雑感レビューです。面白いスマホゲームを探している場合の参考にしてください。

奴は四天王の中で最も金持ちとは

奴は四天王の中で最も金持ちは「あなたってよく見るとドブネズミみたいな顔してるわね」を配信して一躍有名になったSYUPRO-DXの作る本格的RPGです。フィールドを歩き周りアイテムを探します。様々な街の人々と会話し、いくつものダンジョンを巡っていきます。スタミナは存在しません。装備(ガチャ)はゲーム内のお金で買え、新しい街に着くと品物も強化されている。コンシューマーやPCゲーなら当然の機能ですが、スマホゲーでは削られている要素ですね。そんな本格的RPGがスマホでプレイできます。しかも縦プレイで操作性も問題ありません。

プロモーション動画

奴は四天王の中で最も金持ちレビュー

ガチャガチャ風世紀末

新世代のガチャガチャ「ワザガチャ」によってすさんだ世の中。弱肉強食の世界。世界は「課金四天王」と呼ばれる四人の悪が支配していた。
街では「課金しろ!」「ギルドのために寝ずに働け!」「汚物は消毒だー!」などと罵声を張り上げて今日もモヒカンの軍勢が暴れ回っている。

GooglePlayの紹介文を引用です。北斗の拳をパロってる様子が伺えますが、かなりぶっとんだ世界設定ですね。ワザガチャは武器に該当するのですが、課金した方が良いワザガチャになります。課金四天王は課金しまくって強いガチャを入手し、それで民を脅し自信に金を納めさせ、さらに課金して強くなっていきます。そして奴は四天王の中で最も金持ちの世界は課金四天王に支配されています。

主人公はアタリタウンに住む少年。リョウマと隣の街に行き戻ってくると村が課金四天王に燃やされてしまいます。そしてリョウマは課金四天王を追い村を出てしまいます。主人公はリョウマを探しに世界を旅立つ決意をします。

スマホ的なUIですが、PCフリーゲーム的な王道RPGです。

戦闘はオーソドックスな4人パーティー、コマンド入力のドラクエ形式です。

四天王の1人と対面。強敵でした。

倒した後のセリフ。個人的にツボにはまりました。

ポケモン的な雰囲気の良質なレトロRPG

「レトロ=難しい、色数や音数を抑えればレトロだ!」と勘違いしている製作者が作ると、高難易度だけのシナリオも詰らない誰得RPGになります。しかし「奴は四天王の中で最も金持ち」の製作者は見た目以外の部分を作りこんでいます。戦闘バランスは難しすぎず簡単すぎず良好、敵の出現率も控えめです。街の人や対戦を挑む人との会話が面白いのも「奴は四天王の中で最も金持ち」の大きな特徴です。会話量はレトロなので相当控えています。ただ、文字数が少ないのにシュールだったり、要点を得ていたり、はたまたシリアスだったり、街の人との会話に相当気を使って製作していた事が想像できる文章の質です。また、シリアスでコメディで感動物とツボを押さえた物語になっています。

奴は四天王の中で最も金持ちの世界観は「世紀末」、「ガチャガチャ」、「ポケモン」この3つで現せると思います。街の名前は~タウン、~シティ。道行く人に話しかけると挑まれるバトル、街と街の間のフィールド(ドラクエ系でなくポケモンのように街と街の間に街道がある形式です)。そしてゲームボーイカラー色で構成されたマップチップ。まさに初代ポケモンやマザーの雰囲気を引き継いでいます。ゲームボーイ時代のポケモンが好きだったプレイヤーは懐かしさに浸ってもいいでしょう。街やダンジョンも学校・駅・江戸時代・ウェスタン風・寺など様々でカオスですがゲームの雰囲気は壊れていません。

江戸を模した街の入り口。世界観がカオスです。

センスあるなと感じた文章。プレイヤーにヒントを与えるだけでなく会話の面白さや短い文で伝える情報量などレトロRPGの良さがわかる一シーンです。当然回り込んで侵入します。

ワザガチャの楽しさ

戦闘の基本はワザガチャにあります。上下2種類の言葉を組み合わせて技を作ります。例えば上ガチャで「れっかの」下ガチャで「めくるめくひび」を選択すると攻撃力150の火属性全体攻撃を使う業になります。上ガチャを「バブルジェット」にすると水属性になります。このように上ガチャで属性と属性能力、下ガチャで効果(攻撃、回復、特殊業など)を選択して言葉を作ります。上記例の場合説明が「まっかにもえる かえんのようなあつさを みにまといながらたのしかったひびをおもいだす。」となり組み合わせからできる変な説明を楽しむ事もできます。

最大4人パーティーで各キャラ4つのワザガチャを装備できます。キャラの属性は一番上のキャラガチャの属性になります。ワザガチャの組み合わせ方で様々な戦略ができます。

上ガチゃの属性は赤青緑白黒の5種類で青は赤に強く、赤は緑に強く……とソーシャルゲームでありがちな設定になっています。また、敵も全て5種類の属性が設定してあります。レア度も☆1~☆6まであります。

各街でワザガチャを個別購入できるので、ソーシャルゲームのガチャにありがちな○色のキャラが出ないなどの問題はありません。新しい街に着くたびに購入しているワザガチャが異なるため、装備を強くする楽しみもあります。ソーシャルゲームの属性はいらいらした事もあり最近はまたかと飽き気味でしたが、ランダム性の少ない王道RPGにすると逆に新鮮でシステム的なストレスも少なく面白い試みだと思いました。

なお、課金要素として、レアガチャならぬギガガチャに課金すると強力なワザガチャが入手できます。ドラゴンたからいしでギガガチャを利用するとゲームバランスを崩しやすく課金通貨は利用しない方がいいです。俺強えー感覚で楽に進めたければギガガチャを利用します。ただ、強い技ほどMP消費が激しいので、そこまで都合良くはいきませんが。なお、Android版は諸事情により課金できません。注意してください。

上ガチャと下ガチャを組み合わせてワザガチャを作っていきます。説明欄がカオスになり面白い。

フレンドを仲間にする楽しさ

奴は四天王の中で最も金持ちはフレンドを集める楽しさがあります。と言ってもソーシャルゲームのリアルなフレンドではなく、ゲーム内の住人達です。仲間にする方法は住人と話したり、ダンジョンや通路でキャラに話しかけ勝負を挑まれ倒して仲間にしたりです。仲間はなんと325人います。各キャラ1番目の上ガチャは固定(属性固定)で能力もばらつきがあり集めるのが楽しいです。序盤のボスが終盤に仲間になるような胸熱展開もあります。この仲間にする過程はポケモンの捕獲のようなイメージが沸きました。

なお、この点で不満点を挙げるなら「仲間多すぎ」。コレクション的に仲間にしたらほとんどのキャラは放置でパーティーに加える事がありません。また、各キャラの紹介などがあればまだ良いですが、色違いのドット絵キャラが並ぶ姿はコレクション的な面白さもあまりありません。ただ、それでも仲間集めには熱中しました。

フレンド数の多さにはびっくりしました。

フレンド候補と戦う前、戦った後の会話は面白い話が多いです。「○○いっきま~す」とか完全にネタに走っているキャラも。個人的にはこの会話内容をコレクション要素でいつでも見れるようにして欲しかったです。

Android版はフレンド・ワザガチャコレクターになれない

奴は四天王の中で最も金持ちの課金通貨「ドラゴンたからいし」、Android版で購入する事はできません。ワザガチャをコレクションしようと思うと課金は必要になります。また、フレンドを全員揃えるのも不可能です。フレンドになる条件としてドラゴンたからいしを要求するフレンドがいるのですが、ゲーム内で入手できるドラゴンたからいしだと全員を仲間にする事ができません。iOS版は問題無く課金できます。

快適なシステム

スマホゲームで本格的RPGをプレイするのに一番の足枷は操作性です。ゲーム機のような十字キー付きのゲームパッドは発売しても普及しておらず、基本的にタップ、スワイプでできる操作にしなければなりません。その点に配慮しており、画面タップでその場移動、選択肢タップで戦闘などを行ないます。レトロであるがゆえの特性で1マスのマス目が大きいため、フィールド移動に困る事はないし、戦闘もなるべく少ないタップで進むように設計してあります。

まとめ

総じて上質なレトロRPGになっています。近代的なスマホRPGのシステムと、レトロの面白い部分だけを上手に組み合わせた事が面白さの秘訣になっています。スマホの無料ゲームでは他例がないほど本格的でコンシューマー的な長編RPGです。

ゲーム情報

  • ジャンル:RPG
  • メーカー公式ページ:SYUPRO-DX
  • メーカー:SYUPRO-DX

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