攻略記事

アイスクライマー(ファミリーコンピューター)

思い出

 氷のステージを上へ上へと上り詰めて行くといった内容の、誰にでも判り易く、それでいて取っ付き易いタイトルの一つですね。
 ファミコン初期のソフトにして未だに話題に上がる事も珍しくない任天堂の代表作の一つと言えるでしょう。
 操作だってシンプル極まりなく、左右移動とジャンプ、そしてハンマー振り下ろしによる攻撃の3種類です。なお、ジャンプの際に振りかぶったハンマーにも当たり判定があるため、感覚さえつかめば上方背後の敵や氷柱などにも対応する事が出来ます。まぁ、テクニックというヤツですね。
 ただし、プレイヤーの操作に慣れるためには少々の時間が必要となり、その強烈なまでのジャンプ移動の不自由さに頭を抱えたプレイヤーは多い事でしょう。とにかくジャンプによる移動が稼げなさ過ぎで、概ねプレイヤーの横幅等身を越えるのかも怪しい短さです。あれだけのジャンプ力を誇るのですから、改良するまでもなく横方向の距離も稼げそうなものですが、…これも天性の技なのかも知れませんね。
 …とまあ、そんなジャンプ力がこのタイトルの難度を急上昇させているわけですが、それが返って癖になるのも確かな話です。

 ところで、この頃の『二人同時(協力)プレイ』と言えば、ほとんど『=(イコール)殺し合い』です。あの当時の同時プレイにおいては、いわゆる『1P』と『2P』が『すれ違う』という現象は稀で、ほとんどの動作においてキャラ同士が接触すれば押し合いになり、ジャンプなどを利用して飛び越えない限り相手の向こう側に進む事は出来なかったのです。しかも、今で言う格闘技ゲームのような力量差はなく、とにかく互いの力配分は1:1となります。
 従って押し合いの結果に勝者は誕生せず、ひたすら押し合いになります。ここで例えば1P側の背後に敵が忍び寄ってきてるとすると…? 考えるまでもありませんね。
 アイスクライマー名物の殺し合いは他にもあります。器用にどんどん上に進んで画面をスクロールすれば、残された側が画面下に取り残されてしまい、その時点で残機マイナス1となり、上の階への僅かな隙間に先に到達した側が立ちはだかれば、下のプレイヤーはその階層に進むために四苦八苦する事になります。…まあ、大体は着地に失敗してスクロールして既に消えている更に下層への転落がセオリーですかね。

 古いゲームにはこれといったストーリーが設定されていないものが多かった印象が強いのですが、このタイトルもまた、そういったもののうち一つと言えるでしょう。主人公は『クライマー』という宿命(?)として氷山の壁…、いや、段を登…ジャンプし続け、なぜか頂上付近に置かれている野菜の数々を回収しに行くのです。
 数々の野菜を回収し終えたら、頂上のその更に上を行き来するコンドルの足を掴み、…………えーっと…、それでどうなるのでしょうか?
 きっとアレですね、コンドルは麓に戻るまでの移動手段なんだと思います!
 でもあのコンドル、1人用なんですよね…。2人で一緒に頂上に到達した場合、残念ながら仲良く2人で山を降りる事は出来ません。やっぱこのタイトル、平和を望むなら1人でやるべきでしょうね。

勝手にストーリー?

 まあ、先に述べた通り、ひと昔のゲームにはそれほど深い物語性はなかったのですが、言い方を変えればストーリー性が無いからこそ深く考え込む事もなくプレイヤーが純粋な意味で『ゲーム』として『ゲーム』をプレイしていた時代とも言えるでしょうね。
 当時のゲームと言えば、ズバリ『スコアアタック』。この言葉に尽きるものです。
 とはいえ、どれだけ有名なゲームであっても、現在のように深く練り込まれたストーリー性を帯びるゲームラインナップに含まれるとすれば、これらのタイトルの存在価値はどれだけ知名度を上げたとしても、たちまちのうちにその知名度を地に落とす事でしょう。時代は既にスコアを捨て去り、やがて来る終焉を目指したプレイスタイルとなって久しいのです。
 でも、だからと言って過去の名作をこのまま無に帰すのはあまりにも忍びないので、私がサラッとストーリーを付け加えてみましょうか。

 …コホン。

 それはとある世界の物語だった。
 極寒の地と呼ぶにはあまりにも表現が柔らか過ぎるその地域の名は、…まだ無い。
 あらゆる場所を氷に覆われたその地域には太陽の姿すら無く、常に吹雪くその大地には昼や夜の概念すら無い様にさえ思えた。
 社会性を帯びないその地に法律は存在しない。敢えて言うならば、自然の摂理に従い自分自身が生き延びる事だけを考えるのが唯一の法律とも言えるだろう。いわば本能である。
 人は選ぶ事もままならない防寒着をまとい、何だか知らないけど、もともと備え持つ大木槌一本でひたすら山頂を目指す毎日で日々を過ごしていた。
 何故命の危険を冒してまでわざわざ山頂を目指すのかって?

『…ふっ…、そこにナスがあるからさ…。あ、キャベツとかトウモロコシもね!』

 極寒の大地では全ての土が氷に覆われる。当然ながら植物なんて芽生える事も無く、本来ここに住む彼らが口にする食料は…白クマ? アザラシも居るか(オットセイだっけ? そう考えるとディスクシステム版アイスクライマーの住人は可哀想だね。アザラシだかオットセイだかがイエティーになってるもん。)
 ……………なんか話逸れた。コホン…。
 えーっと、………以上っ!!
 投げっ放し上等の勝手にストーリーでした! コンドルさん、ごめんなさい。登場枠ありませんでした!


 カワイソウなコンドルさん。

上記ストーリーを読んでしまった皆様へ。
 私にバチを与えないで下さい。

 ふぅ…、大作だったぜ。

はなうたBGM

 思い出のBGMとは言っても『曲』と表現できるものが2曲しか備わっていないですよね、このタイトル。そうなるとさすがに覚えているもので、タイトル画面とボーナスステージで使われるBGMは特に耳に残っていますね。
 なんだかウキウキするようなノリで、いい事ありそうな場合に思い出しますよ。…ま、現実は厳しく、そうそういい事なんて無いんですが、困難な場面等でこの曲を思い出すと、その場の困難がどうでも良くなってしまう気がしてワリとあっさり切り抜けていた…なんて事もあるもんですね。結果オーライってヤツですか?
 もちろん、結果オーライとなった場合は気分的にコンドルの足を掴んでいます。掴み損ねて現実には氷山から転落していたとしても、気にしてはいけませんよね。気の持ち方が大切なのです。現実には確かに、確実に、実際に、落ちているのですがね! そんなことどうでもいいんですよ!
 そのくらいにイキがイイ曲ですよ。

食いしん坊プログラマー?

 気のせいなのかも知れませんが、昔のゲームに登場する『ボーナスアイテム』って大半が『食べ物』だと思いませんか? 俗に言う『1UPアイテム』がキャラクターの顔というのはなんか解るのですが、どうして得点アイテムって食べ物に集中し易いのでしょうか? しかも、なぜか果物や野菜がダントツで多い気がします。
 ボーナスアイテムはスコアアタックに無くてはならない存在ですが、別に野菜や果物に集中しなくてもいいじゃないですか! 折れてしまって使いものにならないハンマーや扇風機の羽根でもイイじゃないですか! いや、仮に食べ物に集中するならば、どうしてイチゴやスイカ、ナスやジャガイモなんでしょうか? ちくわとかはんぺんとか、メンマとかたくあんでも良い筈です! おかしいですよプログラマーさん! 麺つゆの気持ちはどうなるんです? 炭酸の気持ちはどうなるんです?

 すいません取り乱しました。書く事が無かったのです。反省します。

 ところで皆さんは気付いていましたか? このアイスクライマーのパッケージイラストに出ている主人公のカラー。これ、2プレイヤーカラーなんですよね。珍しくありません? ほとんど全てのイメージイラストを飾るのは1プレイヤー側になっているのに、2プレイヤー側がその場を飾るなんて…。
 開発中、闇に葬られた1プレイヤー側の事件が感じられますね。何をしでかしたのでしょうか、…ヤツは! 開発部門に潜んだ悪夢のようなストーリーが…。いやいや、もうストーリーごっこはヤメにしましょう。


 (…………しまったぁああっ!! 鳥の存在をすっかり忘れてたぁっ!!)

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