攻略記事

ビートマニア(アーケード)

思い出

 どんな商品であってもそれが世に初めて顔を出し、目覚ましい売り上げを達成したのであれば『何がヒットするかわからない』と後の体験者は語るものです。飲料であれば『お茶』『水』、お菓子であれば『辛口』『激辛』といったものでしょう。
 お金を払って飲むものだから、家では簡単に用意できないものを。…といったコンセプトがあったかどうかは判りませんが、どんな飲料メーカーも『お茶』には目もくれず、『水』の販売なんてもってのほかだったのかも知れません。当然、お菓子においても口にするメインターゲットが『子供』というイメージがあってか、どちらかと言うと『甘い』傾向に。ほどほどの辛さをウリにした『カラムーチョ』の存在は偉大です。…まあ、私は元々辛党なので、バカみたいに辛かった『ピリリン坊』が良かったのですがね。…知ってる人、少ないでしょう? まあ、固定概念を覆した冒険作品が世の人の目の鱗を落とすような現象が案外身近にあるといった例でしょう。
『音ゲー』と親しまれて既に世に浸透している『ビートマニア』。こちらも身近過ぎて気付くのに時間が掛かった作品の一つなのではないのでしょうか。初めはゲームコーナーの片隅、観葉植物に挟まれる形でひっそりと姿を現わしており、誰もプレイしていないデモ画面だとどんな内容かすらさっぱり分からなかった代物でしたが、遠そうで身近過ぎたそのゲーム内容はそれこそ瞬く間に存在感を拡大したようですね。
『ようですね』と他人事みたいに表現するのはなぜかというと、正直、私のジャンルではないからです。このテのゲームは『どこまでのめり込み、そしてどこまで集中できるか』が肝心なんですが、私の場合は周囲の目線を気にしますので、その時点でアウトです。誰かが偶然通り過ぎようものなら『うわ…、見られてる…』と勘違いし、集中力の全ては既に通過し切って誰も居なくなった『誰かが居たらしい空間』に方向転換してしまい、指先が震え、眩暈を覚え、激しい動悸、同時に息切れを起こしかねません。救急車だって登場しちゃいそうです!
 およそ輝かしい舞台に立つ事など許されない体質としてこの世に誕生してしまったものですから、そもそも『曲を奏でる』といった、誰でも知る要素をメインとしたゲームなんてやっちゃいけないように出来上がっているんですね。残念です。
 

 と言う訳で、私がこのゲームに手を触れたのは友人が所持していたプレイステーション版なのですが、それでも恥ずかしかったですね。室内から漏れると思われるコントローラーの『カタカタ音』や、ミス操作時の『ずれた音楽』などが外行く通行人に聞かれでもしたら…と考えると、それだけでドキドキものでした。
 そんなドキドキプレイの連続だったもので、音楽は覚えているものの曲名の全ては記憶から消失しており、どーにもこーにもこれ以上このページを紹介するのは難しそうです。…ですのでサヨナラ(逃走)。

(大丈夫、私が詳しく紹介しなくともみんな知ってるタイトルだもんね)

はなうたBGM

 BGMも何も、ゲーム全てがBGMと言っても過言ではなく、そもそもそのBGMすら自分で奏でる仕様となるため、ある言い方をすればこのゲームには固定されたBGMが存在しないとも言えるのです。
 じゃあ、このページの意味無いじゃん! ってなるのですが、そこはご指摘通りになっちゃいますね(うふっ♡)。
 だって私がもっとうまく曲を奏でられたなら、きっとアレコレ曲の良さを言えたんでしょうが、『ソレ曲?』と疑問を投げかけられそうな出来に評価なんか付けられませんよ。まじで。
 私にとってビートマニアシリーズは『音ゲー』ではなく、上から降ってくる横棒が赤い(青い)ラインに重なった時にボタンを押してやる『合わせゲー』なのです。ゲーム娯楽と言うよりは『作業』と表現した方がしっくりし、しかも作業によって報酬を得るのではなく、なぜか100円を投資しちゃう不思議ゲームなのです。ほんとフシギだなぁ。

思い出作文『出会い ~私とビートマニア~』

 私がビートマニアさんと出会ったのは、とあるボウリング場の片隅でした。
 私はスポーツが本当は嫌いなんですが、新入社員歓迎会を兼ねた会社のイベントが発生してしまい、嫌々ながらボウリング大会に出る事になってしまったのです。
 嫌々ボウリング場に向かい、嫌々ネームエントリーをし、嫌々ボールを捜している途中、なんだかゲームコーナーからちょっと離れた場所にへんてこなボタンを持つ筺体があったのを見つけました。
 ちょっと気になってその場に行こうとすると、店員さんが来て、
『すいません、シューズ着用で外に出ないでください』
 …って言われました。シューズ、ブン投げて返したくなりました。
 でも、私はとっても大人ですので、笑顔で
『ああ、すいません…』
 とだけ言って、嫌々自分のレーンに戻って行きました。
 まだ名前と顔が一致しない同僚と嫌々会話を合わせ、投げ慣れないボールを嫌々投げ続け、何をどう間違えたか昨年度優勝者と接戦を続けることになって、終わったら優勝していて、必要もないCDウォークマンを嫌々貰い、ついでにプチヒーロー扱いまで受けました…。とても恥ずかしかったです。ちなみに私は半月ほど前にMDウォークマンを購入していたのです。本当にデカくて使えたものじゃありませんでした。仲の良かった同僚3人に本気で『要る?』と聞きましたが、2人にもっと本気で『要らん』と言われ、もう一人は昨年度の優勝者であり、既に同型の物を所持しているとの事でした。どうやら会社はイベント優勝者用に同じ物を複数保管している模様です。オソロシヤ…。
 そんな嫌々行う羽目になったイベントが終了すると、実は会社同僚のほとんどの人がゲーム好きと判明し、イベント終了後はさも当たり前のようにほぼ全員がゲームコーナーへ。
 そこでイベント前に目撃した『ヘンテコ筺体』を思い出し、私一人でその場所へ。

 初めに目にしたのはこんな画面でした。今でこそこれが人影と理解できるのですが、当時は『人影』という認識がなく一見して何かのモンスターに思えたので、それこそ理解不能なゲームでしかありませんでした。
 でも、誰かのプレイを見ているうちに画面の動く絵が『人影』と認識に繋がり、私の頭の中では
『ああ、あの降ってくるバーをタイミング良く押してやれば、スライムみたいなやつが人間に進化するのかな?』
 という、およそ見当違いな方向へ解けてしまい、なぜか確信に変化するのに大した時間を要しませんでした。
 そんな『人への進化ゲーム』を真剣な眼差しで、そしてどこかノリノリでプレイするあの人物の姿は…異様でした…。
 

 そんなイベントの帰りがてら、お腹が空いたので同僚数人と軽く飲み屋へ行き、思い出し話のついでに目撃したゲームっぽいゲームの話をしたら、当然ながらみんな知らないと…。当たり前ですよね『人への進化ゲーム』なんて、皆目見当つきませんから。ボタンをタイミング良く押す事でグラフィックが人に変化するだけだなんて、まずもって面白みに欠けるというか…。
 でも、見る分には興味津津となったようで、今度は酔った勢いでボウリング場に再突入。夜が深まった時間帯ではその筺体に人だかりが出来ており、実は人気機種ということが一目で判明。しかも、その場に到達しなくとも流れ来る音楽で仲間全員が『ビートマニア』と瞬時に察知。無駄足に怒られる事もなく、無知識にしらけられる事もなく、純粋に『本当に知らなかったの?』という意味で不思議がられてしまいました。
 とっても恥ずかしくて悲しかったです。時間さえあればゲームセンターに通っていた時代だったのに…。

 これが私のビートマニアとの出会いでした。


 今では有名どころの曲が当たり前となり、グラフィックも筺体も格段に向上したビートマニアシリーズ。向上ついでにボタンまで増える始末。ますます私の手の届かないシロモノへと変貌を遂げている模様です。

 私は個人的にこちらが活躍するタイプが嬉しいですね。…それでも恥ずかしいですが。

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