イースターエッグパーティ
3話
トド松 | さて、ヒントの答え通りだと、 この公園にエッグがあるらしいね。 |
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カフェのチケット目当てだったけど、 参加してみると案外楽しいな、エッグハント。 | |
答えがわからない女の子と、 一緒に悩んだりできたらもっと楽しいんだろうな~。 | |
それで、ここわかんない~って言う女の子に、 的確にヒントを出しつつ、でも答えそのものを言わずに 正解に導いてあげるのがモテる男のやり方。 | |
大事なのは相手に気分良くなってもらうこと。 自分の気分なんて二の次だよ。 | |
チョロ松兄さんとか、もし答え解ったら 知識ひけらかしてすぐ答え言っちゃいそうだなぁ。 | |
あー。 なんとなく想像したけど絶対そうだよ。 接待とか絶対できないタイプ。 | |
それで、相手が引いてるのに 全然気づかないんだよ。 | |
まあいいや、いないところでまで、 同じ顔の連中の事考える必要ないよね。 | |
さて、次はどこに行こうかな……っと | |
あれ、一松兄さん。 | |
何やってるんだろう……。 エッグハントに参加しに来たのかな。 | |
一松 | イースターって、ウサギの日なんだって…。 |
エスパーニャンコ | にゃー? |
一松 | そう、猫じゃなくて、ウサギの日。 |
エッグハントに参加するには、 全員ウサギの耳を着けなきゃダメって言ってた…。 | |
成人した男にウサギ耳着けさせるとか、 何考えてるんだろうな…。 | |
絶対、誰も得しないし。 | |
それとも…そういうので得する、 そういう趣味の人がやってるのかな、 このイベント… | |
第一、おれは猫派だし、 猫耳着けるお祭りなら着けるけど、 ウサギ耳はポリシーに反するというか…。 | |
こんなの着けて、もし猫たちに見られて、 裏切者って嫌われたら…。 | |
おれ、もう生きていけない | |
エスパーニャンコ | にゃー? |
一松 | お前も、そう思うよな…。 |
確かに、高級猫じゃらしはほしい。 きっとみんな喜ぶし… もっと、仲良くなれるかもしれない。 | |
でも、そのためにみんなに嫌われたら、 本末転倒…。 | |
大体、なんでウサギのお祭りで 猫じゃらし景品にするんだろう…。 | |
ウサギと猫、同じようなものだと思ってるとか…。 | |
それだったら、絶対許さない…。 猫の歴史を、一から叩き込んでやる…。 | |
猫じゃらし…。 ウサギ…。 | |
エスパーニャンコ | にゃー……。 |
トド松 | ……なに、あの百面相。 |
どう見てもやばい。やばい人。 身内じゃなかったら近づかないし、 身内でも出来るだけかかわりを避けたい。 | |
本当、何してるんだろ……。 手にずっとウサギ耳のカチューシャ持ってるし。 | |
あ。もしかして、 あのウサギ耳着けようか着けまいか 悩んでるとか? | |
おれ、猫が好きなのに… ウサギ耳のカチューシャ着けるなんて…。 猫に嫌われる…。 | |
とかなんとか思ってるんじゃないの? | |
わー、ありえそう。 | |
ばかばかしい。 人間がウサギ耳着けてたりしたくらいで 好きになったり嫌いになったりあるわけないじゃん。 | |
まあいいや、一松兄さんのこと考えてる暇があったら、 さっさと卵探そうっと。 | |
あそこの花壇の青い花の根元にあるはず……って。 | |
子供 | あ、卵あった~! |
母親 | 良かったわね~。 |
トド松 | あ……。 |
卵、もってかれちゃった……。 | |
………………。 | |
もう、あれもこれも一松兄さんが 変な百面相してるせいだよ! | |
そうじゃなかったら、 ボクがちゃんと卵を手に入れられたのに! | |
ウサギとか猫とか、 同じようなもんじゃん! どっちでもいいじゃん! | |
小っちゃくて丸くてふわふわで、 だいたい同じようなもんじゃん! | |
あーもう、知らない、一松兄さんの事なんて。 |