他力本願☆ミルキーウェイ
5話
トド松 | あ、十四松兄さんの竹少し傾いてる。 もう少しまっすぐにできる? |
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十四松 | こう~? |
トド松 | そうそう。 カラ松兄さんのは飾りの重みで 葉が下向いちゃってるけど……。 |
一松 | それでいい。 っていうか、もうそれだけ 地面に横たわらせててもいい。 |
カラ松 | そうだな、皆の竹を平等に輝かせるには、 オレが一歩引いてやるのがベターだろう。 |
一松 | 本人ももう少し黙って、 下向いていればいいのに…。 |
トド松 | 4本も竹飾りを作るなんて、 多すぎるよって思ったけど…。 |
こうしてみると、結構華やかだし…。 何が飾られてるのか近くでしっかり見なければ、 いいかんじなのかな。 | |
十四松 | これでお願い叶うかな!? |
カラ松 | フッそう急ぐな、十四松。 願いを叶えるには、まずは願いを宿した アレを用意しなければな。 |
十四松 | アレ~? アレってなに?一松兄さんわかる? |
一松 | アレ… 呪いの札…。 |
トド松 | 近いけど違うでしょ。 そうだね、七夕と言ったら 短冊も飾らないと。 |
十四松 | カラ松兄さんと一松兄さんも 書こう~! |
…………。 | |
トド松 | うーん、 願い事がないわけでもないけど……。 |
こうやって短冊に書いて 人に見られてもいい願い事っていうと、 ちょっと悩むかも。 | |
兄さんたち、できた? | |
十四松 | まだ~! |
トド松 | えっ、 十四松兄さん、もう書けてるじゃん。 |
十四松 | え、まだできてないよ。 まだまだお願いいっぱいあるから! |
トド松 | ああ、そっか。 別にお願い一つでなくてもいいんだ。 カラ松兄さんと一松兄さんは出来た? |
一松 | できた。 これも先っぽにハサミ入れて飾ったら、 風に揺れて猫がじゃれたりしないかな。 |
カラ松 | オレも出来たぞ。 オレの祈りよ、天に届け…。 |
十四松 | ぼくも出来たよー! これで準備ばんたー……。 |
おそ松 | おー、随分立派なもん作ったなぁ。 |
チョロ松 | ほんとだ。 しかも4本も?随分頑張ったんだ。 |
トド松 | あ、おそ松兄さんたち、 準備も手伝わないでなにやってたの。 |
おそ松 | どうでもいいだろ、そんなこと。 ところでこれ誰が作ったの? なんか、サングラスとか薔薇とかついて……。 |
ああ、誰が飾り付けしたか言われなくても分かった。 | |
カラ松 | フッ。 |
おそ松 | じゃ、せっかくだし俺も神頼みしとくか。 えーっと、パチンコでも競馬でもなんでもいいから、 一発当たりますように~っと。 |
トド松、お前の笹に飾らせて貰うぞ~。 | |
トド松 | はあ、願い事の内容と言い、 勝手にボクのにつけるのといい、 その寄生根性は本物だね。 |
チョロ松 | せっかくの行事ごとだし、 僕も飾ろうかな。 もうすぐライブの申し込みだし。 |
十四松 | ぼくのに飾っていいよ! ボールの的にして、当てて、落とす! |
チョロ松 | 落とさないで!? 一番落としちゃダメなやつだから! |
トド松 | ところで……。 さっきも聞いたけど、兄さんたちは何してたの? |
おそ松 | ギクッ |
チョロ松 | それは……。 その……。 |
4人 | 怪しい……。 |
…………。 | |
トド松 | は!? ボクたちが汗水垂らして準備してたのに、 2人で流しそうめんしてたって どういうこと!? |
チョロ松 | いや、おそ松兄さんに誘われて…。 |
カラ松 | 言い訳はよくないな、チョロ松。 罪には罰が必要だ。 そう、ギルティにはバニッシュメントが必要だ。 |
十四松 | カラ松兄さん何言ってんのか 全然わかんない! |
一松 | とにかく…。 おしおきが必要、ってこと。 |
…………。 | |
トド松 | チョロ松兄さん、流すの遅い~。 こっち4人いるんだからね。 |
チョロ松 | そんなこと言っても、 もうそうめんがないし……。 |
一松 | じゃあ、おそ松兄さん、 早く茹でてきて。 |
可愛い弟たちに仕事させて、 自分はそうめん食べてたんだから、 このくらい当然だし。 | |
おそ松 | くっ……。 一松、後で覚えてろよ。 |
カラ松 | 早くするんだ、おそ松にチョロ松。 流しそうめんの一番下で口を開けている 十四松が、いつまでもやってこないそうめんに 泣きそうになっている。 |
流れてくるのが水ばかりで、 腹がぱんぱんだ……。 | |
十四松 | ゴボゴボ…… ガブ……。 |