アカツビアンナイト
3話
おそ松 | 始まったねー、お祭り。 俺らにはあんまり関係ない祭りだけど。 |
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カラ松 | 今日も街で立っていても、 ガールズ達は声をかけてこなかった。 異国のガールズたちも奥ゆかしい。 |
一松 | 一生、外で立っとけばいいのに…。 |
おそ松 | あ―――!駄目だ。 カラ松、一松、飲みに行こうぜ! |
カラ松 | ブラザーからの誘いだ。 断る理由はない。 |
一松 | …やだ。 |
おそ松 | なんでだよ?暇だろ? たまには兄ちゃん達と飲みたいだろ!? |
一松 | べ、べつに一緒に飲むのが 嫌ってわけじゃないけど…。 ただ…。 |
おそ松 | ただ……? |
一松 | 人に酔いそう…。 |
カラ松 | 大丈夫だ、一松。 兄である、オレ達が一緒なんだ。 |
おそ松 | そうだぞ、一松。 だから、一緒に飲みに行こう! |
一松 | おそ松兄さんは良いけど、 クソ松はどうでもいい。 |
カラ松 | なっ…! |
おそ松 | まぁまぁまぁまぁ! と、とりあえず家を出よう。 店は適当に見つければいいし。 |
一松 | …やっぱり、行きたくない。 |
おそ松 | そう言うなって。大丈夫だから。 心配いらないって、怖い人達とかいないし。 |
一松 | どんだけ飲みに行きたいの…!? 別におれと飲まなくても、クソ松と一緒に 行けばいいじゃん。 |
おそ松 | 違うんだよ、俺は一緒に飲みたいの! 2人のどっちかに代金払ってもらえれば、 それで……って、そういえば十四松は? |
カラ松 | オレ達もお金は無いぞ? それと、十四松は出掛けたっきり 帰ってきてはいない。 |
一松 | おれ、十四松が帰るの待っておくから。 2人で行ってくればいい…。 |
おそ松 | ま、母さんに言っとけば大丈夫だろ。 だから、行くぞ!カラ松、一松の左手持て! 俺、右手持つから! |
カラ松 | え、あ、分かった! |
一松 | あ、ちょっと離して…! おい、離せクソ松!やめろ! ぶち殺すぞ! |
カラ松 | えぇ!?なんで、オレだけ!? おそ松は良いのか!? |
おそ松 | はいはい、大人しくしとけって。 じゃ、飲みに行くぞー! |
…………。 | |
カラ松 | って、ここってチョロ松とトド松が 働いてる店じゃないか。 |
おそ松 | どうせ飲むならさ、あいつらのバイト先で ツケてもらって飲んだ方が良いじゃん。 あんま金ないんだし。 |
一松 | ひ、人がいっぱい…。き、気持ち悪い…! |
おそ松 | あー、これはさっさと 入った方が良さそうだな。 |
ということで、どうも~。 席空いてます~? | |
チョロ松 | はい、いらっしゃいま…せ……。 って、なんだ、兄さん達か。 |
おそ松 | お、ちょうどよかった。 3人なんだけど、空いてる? |
チョロ松 | 空いてるけど。3人? あ、一松引き摺られてんのか。 |
って、なんで引き摺られてんの!? | |
おそ松 | あぁ、無理やり連れて来た。 |
チョロ松 | あぁ、そうなんだ……。 と、とりあえず、席まで案内するよ。 |
トド松 | あ、兄さん達、来たんだ。 なに飲む? |
おそ松 | 生ビール! |
カラ松 | ビー……麦茶をくれ。 |
一松 | ビール…。 |
トド松 | はいはい、生ビール2つと麦茶ね。 少々お待ちください。 |
おそ松 | あいつ、いきいき働いてんな。 俺には無理だわ。 |
カラ松 | さすがはマイブラザーだ。 もう手慣れているな。 |
十四松 | ……。 |
2人 | あれって、十四松!? |
チョロ松 | はい、おまたせー。 |
おそ松 | お、おい、チョロ松。 十四松が置物みたいに立ってんだけど! |
チョロ松 | あぁ、そうだよ。 なんでかはよく分からないけど。 店長が連れてきて、置物のように立ってるんだ。 |
カラ松 | 置物のように……? |
チョロ松 | そう。あ、でも、たまに動いてるけど。 気にしないでよ。 |
というか、お金ないのによくこの店に来たね? 結構、良い値段設定の店なんだけど、大丈夫? | |
おそ松 | 任せとけって。松野家の長男である俺だよ? |
チョロ松 | あぁ、母さんからお小遣い貰ったとか? なら、まぁ大丈夫かもね。 |
おそ松 | いや、もらってない。 チョロ松とトド松にツケて飲む。 |
チョロ松 | なに言ってんの、無理に決まってるでしょ? |
おそ松 | そんな冷たいこと言うなよ。 飲ませてくれよ~。 財布持って来てないんだよ~。 |
チョロ松 | 本気でツケで飲む気だったのかよ! 今すぐ帰れ!!!!! |