他力本願☆ミルキーウェイ
1話
お母さん | ニートたち、明日は何の日かわかる? |
---|---|
おそ松 | 明日? えー、なんかあったっけ。競馬のレース? |
チョロ松 | 母さんが競馬の話題振ってくるわけないだろ。 ライブの申し込み締め切り……は、 来週だし……。 |
一松 | 暑い…。 夏が近づいて、さらに暑くなる…。 |
十四松 | あはは~一松兄さんが溶けてる! 液状化一松兄さん!ゲル化!一松ゲル! |
お母さん | 明日は七夕。 と、いうわけで、毎年恒例七夕飾りを作ります。 |
一松 | 恒例……? |
チョロ松 | そんな習慣あったっけ? |
トド松 | やってたような、やってないような……。 |
一松 | いい年したニートが6人そろって 七夕飾り作って、何が楽しいの。 |
カラ松 | いい年したニート、上等じゃないか。 この有り余る時間を使い、 松野家を艶やかにデコレーションしようじゃないか。 |
天の川よりも眩い、 誰もが目を奪われる姿に……な。 | |
トド松 | そういえば、山のほうで、 毎年この時期になると笹を配ってるよね。 |
十四松 | みんなで七夕飾り作れるねー! |
チョロ松 | じゃあ、それをもらいに行くのと……。 貰いに行ってる間に七夕飾りを作って 準備している人と……。 |
トド松 | あと、せっかくだし晩御飯とか 縁側で夜空観ながらとか楽しそうだね。 その準備をする人。 |
一松 | なんか、やることいっぱい…。 面倒…。 |
チョロ松 | だから、そういうなって。 じゃあ、とりあえず役割分担でもする? |
…………。 | |
トド松 | ……いや、笹に付ける飾りを用意するって、 そういうビジュアル重視なところで ボクを任命するっていうのはわかるよ。 |
七夕飾りなんて作ったら、 SNSに載せたいしね。それなりに フォトジェニックな感じにはするつもりだよ。 | |
でも……。 | |
なんでカラ松兄さんとなの!? なんでわかりきった失敗に恐れることなく 飛び込もうとするの!? | |
カラ松 | トド松! 次男と末っ子、2人で生み出す奇跡の コラボレートだ! |
さあ、まだ誰も見たことのない 新しい七夕の飾りを生み出そうじゃないか……! | |
トド松 | ほら、カラ松兄さんめちゃくちゃ乗り気じゃん! ダメだよ!ボク1人でこのカラ松兄さん どうにかできる気がしないよ! |
一松 | トド松、大丈夫。 |
トド松 | え……。 一松兄さん、大丈夫ってどういうこと? もう全部あきらめろってこと? |
一松 | クソ松だって、人間だから…。 殺せば、止まる。 |
トド松 | 何段階もすっ飛ばした 力業だ! |
…………。 | |
チョロ松 | で、僕とおそ松兄さんが、 縁側の掃除とご飯の準備と。 |
おそ松 | あー、掃除とかめんどくさくない? ほら、別に汚れてなんてないじゃん。 |
俺は松代の家事を信じてる~。 | |
チョロ松 | 松代って呼ぶなよ。 生々しいから。 |
確かに、母さんいっつも 家を綺麗にしてくれているけどさ、 縁側でご飯とか普段しないんだから、 いつも以上に綺麗にしないと。 | |
ほら、おそ松兄さんも 雑巾で拭いて。 | |
おそ松 | えー……。 てやっ! |
チョロ松 | !!!! |
おそ松 | よし、クリーンヒット。 十四松を超えたな。 |
チョロ松 | なんで!? なんで僕の顔に向かって投げつけたの!? |
納得できる説明してもらうまで、 許さないからね……! | |
…………。 | |
一松 | なんで、おれが笹をもらいにいく係なんだ…。 |
十四松はともかく、 おれに肉体労働させようとするとか、 わけわかんない。 | |
まあ、笹の1本や2本なら、 十四松1人でも持てるだろうし…。 | |
おれは、十四松が道に迷ったり、 人生に迷ったり進化の道に迷ったりしないように 見てるだけでいいか。 | |
十四松 | ね~! 一松兄さ~ん! |
一松 | なに、じゅうしま…。 ………………!? |
十四松の体が半分歪んで消えかけてる……! | |
十四松 | この半分ね~。 たぶん、宇宙のすみっこにいるみたい~! |
一松 | 十四松、迷うな。 帰ってこい……! |