他力本願☆ミルキーウェイ
3話
十四松 | ただいまー! |
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一松 | もう歩けない…。 |
カラ松 | おお、一松、十四松。 戻ったのか。 |
トド松 | 良かった助かった! |
十四松 | ただい満塁ツーベースヒット! みんなの笹持ってきたよ! |
トド松 | お疲れ様、十四松兄さん。 ……って、どれだけ持ってきたの……。 |
そもそもこれ、笹じゃなくて竹じゃん。 | |
十四松 | えっとねー、 こっちがカラ松兄さんので、これがトッティの! みんなのもあるよ! |
トド松 | 全員分持ってきたんだ……。 だから、一松兄さんが死んでるんだね。 |
一松 | …………。 |
トド松 | というか、そんな大変ならボクもそっちに 行けばよかった……。 |
そっちの方が、まだマシだった……。 | |
カラ松 | ああ、そうだな。 トッティは優しいことをいう。 |
トド松 | あー、それはそれで帰ってきたときに できてる飾りみて崩れ落ちる気がするな……。 |
十四松 | トッティ、飾りの守備は上々? |
トド松 | たぶん首尾が守備になってる発音だったけど、 ちゃんと作ってるよ、ボクの方は。 |
そうだ、まだ時間あるし、 十四松兄さんたちも七夕飾り作る? | |
十四松 | 作る! 一松兄さん、生き返って!生き返って! バタバタ飾り作ろ! |
一松 | ふが……? |
…………。 | |
トド松 | ふう、これでボクの方は出来たかな。 |
配色バランスもいいし、 遠目に見たらきれいなグラデーションが出来る。 うん、悪くない。 | |
兄さんたちは出来た? | |
カラ松 | ああ、もちろんだ。 笹たちの願いは、このカラ松の手で叶えられた。 |
トド松 | 見なくてもカラ松兄さんのは 予想できるからいいや。 |
十四松兄さんのは……。 | |
十四松 | 出来たー! |
トド松 | 一番上に野球ボール…… こっちもこっちで予想通りだね。 |
十四松 | あのね、ここがホームベースでね、 こっちが一塁でそっちが三塁! |
そんでそんで、ぼくがここ! 四番でサードでエースピッチャー! | |
トド松 | なにこの飾り!? 小さい十四松兄さん!? え……作りものだよね!? 作りものなんだよね! |
十四松 | これ、ぼくだよ! |
トド松 | 作りものだよね!? |
一松 | おれもできた…。 |
トド松 | 一松兄さんのは…。 よかった、呪いのお札とか貼ってあるのは 覚悟してたけど、ない。 |
でも、笹の先っぽについてるの…… これ、ねこじゃらし? | |
一松 | そう。風が吹くとひとりでに揺れて、 猫たちがやってくる。 |
人見知りで、人がいるとなかなか 寄ってこないやつとか…まずは、ここから始める。 | |
トド松 | そ、そっか……。 それはそれで、一松兄さんらしいな。 |
なんか、個性のぶつかり合いというか、 個性の異種格闘技って感じで……。 | |
同じ笹につけたら大変なことになっただろうし、 人数分持ってきてくれてよかったのかな? | |
…………。 | |
おそ松 | あー、あっつい。 |
なにこれ、もう夏じゃん。 8月とかもっと暑くなるの? もうクーラー効いた部屋から出たくない。 | |
でも、さすがに部屋に戻ったらバレるからなぁ。 あいつら玄関で笹飾り作ってるし。 | |
あー、暑いし腹も減ってきた。 なんか冷たいもんねーかなぁ。 | |
……お。 これは……。 |